コットンは、私たちの身につけているものの多くに含まれており、肌への影響も少ないため、赤ちゃんから高齢者まで幅広く愛される素材です。そんなコットンにも実は、多くの種類があります。さまざまな環境で育てられるコットンには、それぞれ特徴もあります。今回は、そんな私達の生活に身近な繊維、コットンついて紹介していきます。

コットン(綿)の品種とそれぞれの違い

コットンってどんな繊維?

そもそもコットンとは何でしょうか。コットンは、アオイ科ワタ属の植物で、木綿の種からとれる繊維のことです。綿に実がなると、身を守るためにフワフワの種子毛という毛に包まれます。これが綿花の元であり、この綿花を加工することで綿ができます。

コットンと綿の違いは?

よくコットンと綿の違いは何?という質問を見ることがありますが、コットンの日本語が綿であり、両者は同じものです。

オーガニックコットンとコットンの違い

コットンの種類は色々ありますが、製法による違いだと、コットンとオーガニックコットンの2種類に分かれます。両者は共に木綿を素材とすることに変わりはありませんが、3年以上農薬を使用しない土地で栽培、製造から出荷の工程まで、トレーサビリティが守られているなど、認証機関の基準をクリアしている必要があります。

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コットンの特徴

コットンには、繊維の中が空洞になっています。そのため吸水性、通気性に優れており、 夏は涼しく、冬は暖かいという特徴があり、 全てのシーズンの衣類に使うことができる繊維です。また肌触りがとても優れていて、肌着やベビー服によく使われるのもこのためです。また、水に強く洗濯にも強いです。また、染色もしやすく、様々な彩りのある生地で私達を楽しませてくれます。

 

反対に、コットンのデメリットとしては、乾燥によって縮んだり、形が変形しやすいです。乾燥機などには弱いので注意が必要です。また繊維の中が空洞であるため、水分が蒸発しずらく、乾きずらいという性質があります。

コットンのメリット

  • 吸水性、通気性に優れる
  • 夏は涼しく、冬は暖かい
  • 肌触りがいい
  • 染色しやすい
  • 水に強い

コットンのデメリット

  • 縮み、変形しやすい
  • 乾きずらい

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繊維の長さで見るコットンの種類

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コットンには毛の長さにより大きく3種類に分けることができます。

短繊維種

一般的に10~20mm前後の繊維の短いコットンを短繊維種と言います。安価な上に繊維自体が太くて丈夫であるという特徴を持っています。繊維が短いため、基本的にはクッションなどの中綿として使用されています。

中繊維種

一般的に21~28mm前後の繊維の長さのコットンを中繊維種と言います。市場に流通している綿製品のほとんどがこの中繊維種にあたり、可もなく不可もないといった品質というのが特徴です。中繊維種の代表としてアップランドコットンがあります。

長繊維種

長繊維種と呼ばれるコットンは、繊維の長さが30mm以上のものがほとんどで、長繊維種のコットンで作られた生地の肌触りは滑らかでシルクのような光沢が特徴的です。希少性が高いため他のコットンに比べて値段も高価になります。長繊維種の代表として世界三大コットンと呼ばれるピマコットンがあります。

 

世界三大コットン

コットンは繊維の長さで仕上がりが大きく異なります。特に長繊維種の高品質のコットンを使用して作られた生地は、見た目はシルクのような美しい光沢をもち、コットンとは思えないほど柔らかく滑らかな肌触りになります。そんなコットンの中には世界三大コットンと呼ばれる高品質で希少価値も高いものがあります。それぞれの特徴について紹介します。

ギザコットン

ギザコットンは、ナイル川流域のギザ地方でのみ収穫される長繊維種のコットンで、とても希少価値が高い品種になります。そのため、生産から収穫、納品までの管理体制が徹底されており、西印度諸島海島協会に加入していないと取り扱うことができない最高級品となっています。

ギザコットンは、植物性の油脂を豊富に含んでいるため、滑らかな風合いに仕上がり、軽くて耐久性にも優れているという特徴があります。また、給水性にも優れているため高級タオルや寝具などに使用されています。

スーピマコットン

スーピマコットンは、アメリカ(サウスカロライナ州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、カリフォルニアのシー諸島)、オーストラリア、ペルー、中国、パキスタン、インドで栽培されている最高品質の長繊維種のコットンです。

繊維が非常に長いという特徴があり、コットン生産大国であるアメリカ国内でも、3%ほどしか生産されていないという非常に希少価値が高いコットンになります。スーピマコットンという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

スーピマコットンとは、アメリカのスーピマ協会が、アメリカで育てられたピマコットンであるという証明をしているピマコットンのことを指します。吸水性と発散性に優れているため、夏でも快適にすごすことができます。また、強度にも優れているというのも魅力の一つです。

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新疆綿(しんきょうめん)

世界三大コットンの、新疆綿は、中国の(新疆)ウィグル自治区で栽培されている長繊維種のコットンです。繊維の長さは世界三大コットンの中でも最も長く、最高級の品質を持つコットンで知られています。

ウィグル自治区特有の、雨の少ない気候と、豊富な雪解け水を利用して栽培される綿花は、繊維が傷つくことがないように一つずつ丁寧に手作業で収穫されます。最高級コットンですが、管理体制は厳しくないため、最高級のコットンの中では比較的入手しやすい傾向にあります。

世界で最も希少価値が高いシーアイランドコットン

最も希少価値が高いシーアイランドコットン

世界三大コットンは希少性も高く高品質な最高級品のコットンですが、それ以上に希少価値が高いのが、シーアイランドコットンです。このコットンを使用して作られた生地は、シルクさながらの光輝くその美しさから繊維の宝石と呼ばれ、英国女王や王室貴族たちをも魅了したほどです。

シーアイランドコットンは、ギザコットン・ピマコットン・新疆綿などの世界の長繊維種の原種になるコットンです。西インド諸島の限られた島でしか生産できないという長繊維種のコットンで、その生産量はコットン全体の10万分の1しかなく、市場で目にする機会はほとんどないといえるほど希少価値が高く、高値が付くコットンもあります。

その繊維はどのコットンよりも細く長さは世界最長で、シーアイランドコットンを使用して作られた生地は、シルクのような光沢とカシミヤのような滑らかさを持つうえに、吸湿性にも優れているという特徴があります。その希少性の高さから幻のコットンや奇跡のコットンと呼ばれる事もあります。

世界のコットン

その他、世界のコットンを紹介します。

エジプト綿

名前の通り、エジプトを原産としています。ギザ地方のギザ綿は高級コットンとして有名で、強く光沢があるのが特徴です。

インド綿

インドでとれる綿です。素材独特の味があり、繊維は太く短めです。色合いにも特徴があり、茶色や淡褐色のものが多いようです。

ジンバブエ綿

ジンバブエでとれる綿です。特徴としては手摘みでコットンが集められるため、繊維の痛みが少なく、上質な糸が作られます。

ブラジル綿

ブラジルでとれるコットンです。繊維は荒く、短めなのが特徴です。丈夫さには定評があり、ブラジルでは産業を担う輸出品にもなっています。

 

魅力あふれるコットンが世界には多数ある

この他にも世界には多くのコットンの品種が存在します。コットンは、さまざまなアイテムに使用されており、古くから私たちの身近にある存在です。同じコットンでも品種によって、見た目や肌触りが大きく異なります。衣料品などを購入する際は、コットンの品種や生産国に注目してみるのもおすすめです。

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