エシカル消費とは?人や環境に配慮した話題のエシカル商品

エシカル消費とは?人や環境に配慮した話題のエシカル商品

エシカル消費とは、地域活性化や人材雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。近年注目を浴びている「SDGs」との関連も深く、エシカル消費を生活に取り入れることで、社会貢献につながります。

今回は、エシカル消費の意味や具体的な実践方法を紹介します。おすすめのエシカル商品もピックアップしているので、興味のある方は最後まで目を通してみてください。

エシカル消費とは?

エシカル消費とは

エシカルを直訳すると「倫理的」という意味になり、「人や社会、地域や環境に配慮した消費行動」のことを「エシカル(倫理的)消費」といいます。

例えば、私たちが手にするチョコレートや衣類は、原材料の多くを発展途上国で生産しています。安価に生産する場合、安い人件費で長時間労働を強いる工場が多いのも事実です。発展途上国の原材料や製品を適正な価格で購入することにより「人や社会に配慮したエシカル消費」につながります。

また、今やインターネットの普及や配送技術の進歩によって、遠方の食品や製品を手軽に安く購入できるようになりました。手軽さや安さだけで商品を選ぶのではなく、被災地で作られたものや、地元の食材を消費することが「地域に配慮したエシカル消費」といえます。

さらに、地球規模で考えてみると、私たちは日々多くのモノを消費し、廃棄していることに気付きます。大量消費・大量廃棄を続けると、資源の枯渇や自然破壊、海洋汚染などの問題が深刻化するでしょう。限られた資源を有効活用し、必要以上に消費しないことが「環境に配慮したエシカル消費」です。

エシカル消費を実践する方法

エシカル消費は、日本国内でも推進する動きが高まっています。SDGsの12番目の目標である「接続可能な消費と生産」にも関連しており、これからさらに活発化していくでしょう。

日常生活で、私たちができるエシカル消費の実践方法をご紹介します。

  • フェアトレード商品を購入
  • 売上金の一部が寄付される商品を購入
  • 障がい者支援につながる商品を購入
  • 地元の産品を購入
  • 被災地で作られたものを購入
  • マイバッグやマイボトルの持参
  • 食品ロスの削減
  • リサイクル素材の商品や省エネ製品の購入

商品を購入する前に少し考えて、より良い未来につながるエシカル消費をできることから始めてみましょう。

エシカル商品のセレクトショップ『Seplúmo(セプルモ)』

エシカル商品のセレクトショップ『Seplúmo(セプルモ)』

エシカル消費の一環として、「フェアトレード・ハンドメイド・サスティナブル」などのエシカル商品にも注目が集まっています。今回は、世界中から地球に優しいエシカル商品を取り揃えているセレクトショップSeplúmo(セプルモ)をご紹介します。

まず、 Seplúmo で取り扱っている商品は、8つのエシカル基準によってセレクトされています。

  1. More jobs より多くの仕事を創出
  2. Traditional 伝統やコミュニティを尊重
  3. Hand-Made 人の手によるハンドメイド
  4. Sustainable 持続可能な製品
  5. Fair Trade 公正で透明な労働条件
  6. Natural オーガニックや天然素材
  7. Locally sourced 材料は地元のもの
  8. Give back 利益の一部を慈善寄付
8 Ethicak values

一点ものだからこそ、人や自然の温もりを感じる、とっておきの商品が見つかるはずです。

「7つ(Sep)の大陸の良いものに光(lúmo)を当てる」という意味がある Seplúmo 。エシカル商品を求めて、7大陸を旅する気分でショッピングしてみませんか?

おすすめのエシカル商品3選

エシカル商品を取り扱っている Seplúmo から、おすすめの商品をピックアップ。日常使いはもちろん、友人へのプレゼントとしても人気です。

『プープーペーパー』スクラッチパッド

『プープーペーパー』スクラッチパッド

POOPOOPAPER(プープーペーパー)は動物のうんちから作られたサスティナブルでユニークな紙製品です!

もちろん無臭!で、こちらの商品はリサイクルされた象の糞で作られています。化学薬品や樹木を使っておらず、人にも環境にも優しい持続可能な商品です。

蜜蝋ラップ3枚セット(S・M・L)Delight柄

蜜蝋ラップ3枚セット(S・M・L)Delight柄

ギフトにもおすすめ!蜜蝋ラップは手の暖かさで食器や器に合わせ、お好きな形にフィットさせることができます。
平均使用年数は約1年。キッチンで使用するプラスチックの食品用ラップを「みつろうラップ」に変えることで、環境問題への関心が高まります。

【ベージュ】Little Hands Hawaii日焼け止め

Little Hands Hawaii日焼け止め

海にも赤ちゃんにも安心なハワイの日焼け止め!
ココナッツオイル配合で、しっとりとした肌をキープしてくれます。肌に馴染むベージュカラーの他、色なしのスティックタイプの販売も。

まとめ

エシカル消費は特別なことではなく、人や社会、環境問題などに向き合う、日常的な消費行動です。

エシカル消費は特別なことではなく、人や社会、環境問題などに向き合う、日常的な消費行動です。日本国内では未だ認知度が低く課題も多くありますが、一人ひとりの意識の変化が求められています。

人にも環境にも優しいエシカル商品で、身の回りのアイテムを揃えたり、大切な人にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

アパレル業界におけるSDGsの事例について

アパレル業界におけるSDGsの事例について

SDGsとはSustainable Development Goalsの略称で、持続可能な開発目標という意味です。基本的人権や地球環境などの問題解決に向けて、2030年までに達成することが目的です。また、すべての国連加盟国が賛同しており、世界的に関心が高まっています。アパレル業界も、sdgsの実現に向けて、具体的に行動しています。これから、アパレル業界における事例を紹介します。

SDGsとは何か

SDGsとは何か

世界的に、SDGsに対する関心が高まっています。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称です。「持続可能な開発目標」という意味で、すべての国連加盟国が目標として掲げています。具体的に17の目標が掲げられており、2030年までに達成することを目指しています。貧困と飢餓の撲滅、健康と福祉、教育の普及、衛生的な環境、ジェンダー平等、経済基盤、技術革新、気候変動、海と陸を守るなど、基本的人権と生活水準、地球環境に関わる目標ばかりです。世界中の誰もが平和で公正な生き方ができるように、2015年に定められました。

2000年から2015年までは、MDGsが掲げられていました。MDGsとはMillennium Development Goalsの略称であり、ミレニアム開発目標と呼ばれていました。極度の貧困撲滅や初等教育の普及などが掲げられ、SDGsの前身として知られています。MDGsでは、貧困率が減ったり、インターネットの普及率が高くなったりして、いくつかの目標を達成することができました。しかし、未達成の目標もあり、引き続きSDGsで取り組むことが決まりました。MDGsとSDGsの大きな違いは、国連や政府、国や自治体だけではなく、民間企業や個人も積極的に目標達成に関わることです。また、発展途上国だけではなく、先進国も当事者として意識を高めることが重要なポイントです。

尚、MDGsとSDGsの大きな違いは、目標を8から17に増やしたことです。しかも、分かりやすく箇条書きにしているので、子どもでも理解しやすいというメリットがあります。目標のうち1から6までは基本的人権、7から12までは経済と社会、13から15までは地球環境、16と17は基本的な目標です。各目標を象徴するイラストも描かれており、イメージしやすいところも大きな特徴です。SDGsを自分たちの身近な問題として取り上げるケースが増えており、授業で取り上げる学校もあります。SDGsに関連する書物もたくさん発行されて、さらに関心が高まることが予測されています。イメージアップにつながるので、SDGsを事業展開に取り入れる民間企業は多いです。

アパレル業界とSDGs

アパレル業界も、積極的にSDGsに取り組んでいます。衣類の素材として、アパレル業界では大量の綿花を使用します。SDGsの一環として、無農薬の綿花栽培を推進して、化学物質の使用頻度を減らすように努力しています。化学物質の使用が減れば、環境汚染を防ぐことができるからです。また、化学物質を利用した衣類が、肌に影響を及ぼすことを防げます。ほかにも、リサイクルしやすい素材を使って、地球環境に負荷をかけないように配慮しています。

アパレル業界では、劣悪な労働環境の改善を目指しています。長時間労働が解消されて、適切な賃金が支給されるようになれば、sdgsが定める目標を達成することができます。なぜなら、健全な労働環境は、基本的人権を守ることにつながるからです。アパレル業界では、素材の生産から衣類の縫製、販売まで数多くのスタッフを必要とします。すべてのスタッフが快適に働けるように環境を整えることは、アパレル業界の重要な課題です。

アパレル業界の問題として、大量生産および大量消費が挙げられていました。中でも、余剰在庫の問題は深刻です。その理由は、生産された衣類がそのまま廃棄されるケースが多いからです。大量の衣類を焼却すると、膨大な量の二酸化炭素が放出されます。公害などの環境汚染や地球温暖化につながるので、早急に改善すべき問題です。地球環境を保護するために、生産量をコントロールしたり、リサイクルを推進したりする活動がアパレル業界に求められています。

具体的な事例について

具体的な事例について

SDGsを取り入れたアパレル業界の具体的な事例として、有名ブランドの戦略が知られています。ある世界的な有名ブランドが、使い捨てプラスチックの使用量をゼロにすることを目標に掲げています。ほかに、リサイクルナイロンを積極的に利用している有名ブランドもあります。影響力の高い有名ブランドが行っている取り組みは、注目を浴びやすいです。しかも、賛同者が増えやすく、SDGsに対する意識改革が個人に広がります。また、取り組みの内容をアピールするために、SDGsに対する理解が深いタレントや有名人を広告に起用するケースが増えています。コマーシャルやSNSの影響力は大きいので、アパレル業界をアピールする人材は慎重に選ぶことが大切です。

アパレル業界とSDGsの今後について

2030年までに、すべての国連加盟国がSDGsを目標に掲げました。貧困の撲滅や温暖化の阻止など、基本的人権や地球環境に関する目標なので、関心を持っている方は多いです。また、アパレル業界でも、余剰在庫の問題などを解決するために、積極的に関わっています。大量生産および大量消費を解消するための問題にも取り組んでいます。

サステナブルファッションで実現できること。〜自分の個性を輝かせ、自分らしいおしゃれを楽しむ〜

個性を活かす

ファッション業界は、衣服の生産から廃棄に至るまでの環境負荷が非常に大きく、海外では、サステナブルファッションへの取り組みが課題となり、急速に広がっています。一方、日本での取り組みについては、限定的なものに留まっています。この記事では、サステナブルファッションで個性を輝かせ、自分らしさを楽しむためのポイントを紹介します。

サステナブルファッションへの関心と行動を

サステナブルファッションへの関心と行動を

サステナブルファッションとは、“衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのこと(環境庁)”です。しかし、この説明では少しわかりづらいかもしれませんね。サステナビリティを認証する会社、エコ・エイジ(Eco-Age)の創始者であり、ブランドコンサルタントであるリヴィア・ファースが「洋服を買うときに必ず『最低でも30回は着るだろうか』と自分に問いかけることです。答えがイエスなら買いましょう」と語っていますが、サステナブルファッションとは、まさに、そんな洋服と言えるでしょう。

それでは、サステナブルファッションに関心のある人はどのくらいいるのでしょうか。環境省の調べによると、関心があり具体的に行動している、あるいは、これから実行しようと思っている人が8%、関心があっても行動を起こしていない人が51%になっています。つまり、行動を起こす、起こさないに関わらず、サステナブルファッションに関心のある人が6割にのぼっていることがわかります。この調査は、サステナブルファッションへの関心の高さを示す結果となりました。

長く大切に着られるお気に入りの洋服を

エコ・エイジのリヴィア・ファースが語るような、最低30回着られる1着を手に入れるには、今までの着慣れた洋服よりも少し高めですが、丁寧な作りで、高品質な洋服を買うようにしなければならないかもしれません。例えば、ヨーロッパで流通しているクロム(鉱石の一種)フリーの皮革、洋服のアクセントとして装飾された無鉛のクリスタルやニッケルフリーの金属メッキなど、細部までサステナブルにこだわった洋服は、きっとお気に入りの1着になるはず。長く、大切に着続けたいですね。

サステナブルファッションをエンジョイしたい

サステナブルファッションをエンジョイしたい

サステナブルファッションを楽しむためのポイントを4つ挙げてみました。

自分が着る服の情報を入手する

サステナブルファッションで自分の個性を輝かせ、自分らしいおしゃれを楽しむには、まず、自分が着る洋服について知ることが大切でしょう。サステナブルファッションを装うということは、環境問題に対する意識の高まり、さらには、自分の価値観をはっきりと示すことになります。自分の着る服の素材がどこで調達されているのか、使われている素材や生産プロセスは本当にサステナブルなのかなどを確認することもエココンシャスにとって重要なポイントです。インターネットで簡単にリサーチできるので、自分の価値観に合った洋服選びをするのも楽しいですね。

服にひと手間加えることで愛着がわく

たまたま何かにひっかけてしまって、お気に入りの洋服の生地がほつれて着られなくなってしまう、そんな経験がありませんか。たとえそうなってしまっても、洋服を捨てる必要はありません。服のお直しを施してくれるお店や、自社製品をリペアしてくれるブランドもありますから、そうしたところにお直しやリペアを依頼してみてはいかがでしょうか。あるいは、手先が器用な人は、自分で服の修理方法を学び、洋服に少し手を加えて、新たな魅力を引き出すのも楽しいですね。お気に入りの服にひと手間加えると愛着が倍増しますし、また、自分だけのオリジナルへと変身するのも嬉しいですね。

高品質な洋服を選ぶ

洋服選びの際に、思い切って、量よりも質のサステナブルファッションを選択するのも1つのポイントでしょう。例えば、安価なタートルネックのセーターの場合、購入後、比較的早い時期で色褪せしたり、ほつれが生じたりすることがあります。色褪せは修理できないし、素材そのものの品質がよくないと、ほつれをうまく直せない可能性があります。一方で、高品質でサステナブルな洋服は、コストがかかりますが、その分修理が利くため長く着ることができます。また、価格の高い服は、年月が過ぎても形崩れせず、色褪せもしづらいうえ、丁寧に着ることで購入時の状態を長く保つことができます。高品質の洋服は、購入時にコストがかかりますが、長く着ることを念頭におけば、考え方次第でコストパフォーマンスを上げることができるかもしれません。

洋服のお手入れをする

お気に入りの洋服を長く、良い状態で着続けるためには、素材にあったケアや洗濯が必要です。そうすることで、洋服を長持ちさせることができます。例えば、カシミアは撥水性が弱く、水分が付着したままにしておくとシミになる場合があります。水分が付いたらすぐにふき取って乾燥させることで、カシミアの風合いを保つことができます。また、綿素材のジーンズは、洗濯すると縮んだり色落ちしたりすることがあるため、裏返しにし、ネットに入れて洗濯機で洗います。こうした手間をかけることで、洋服を長く、良い状態に保つことができます。

サステナブルファッションで自分の個性を発揮する

サステナブルファッションとは、お気に入りの洋服を長く、大切に着ることと言えるでしょう。そのためのポイントは、1)自分の着る洋服に関心を持ち、調べること、2)お直しやリペアを施し、洋服を大切にすること、3)素材の良い洋服を選ぶこと、4)洋服のお手入れをすること、が挙げられます。サステナブルな洋服で自分の個性を発揮し、サステナブルファッションを楽しみましょう。

エシカルファッションジャパンの取り組み

エシカルファッションジャパン

お気に入りの服を着て出かけると気分が上がりますよね。
しかし、その服がどのようにしてできているのかにまで思いをはせることは難しいかもしれません。

安くてトレンドを取り入れた服が氾濫し、まだ着られる服が捨てられるという事態が起こると社会はどうなるのでしょうか。
エシカルファッションの普及を通して、社会的な問題の解決に取り組んでいる団体をご紹介します。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とエシカル消費

SDGsはSustainable Development Goalsの頭文字をとった省略形で、2015年の国連サミットで採択されました。持続可能な開発目標と訳され、世界中の人が2030年までに解決すべき17の目標が示されています。この目標を達成することで世界中の人が幸せに、豊かな恵みにあふれた地球で生き続けることができるようになります。17の開発目標はそれぞれが関連しながら成立しており、課題の解決に向けた行動をいくつか同時に行うとより効果的です。

SDGsの17の達成目標のうちの12番目に「つくる責任つかう責任」があります。エシカル消費はこの目標に関連する言葉です。エシカル(Ethical)は倫理的と訳されます。道徳やモラルと似た意味ですが、社会の中で他人と一緒に生きるために必要な態度といったところでしょうか。簡単にいうと人や社会、環境のことを考えて行動することです。エシカル消費とはそれぞれが社会的問題の解決に考慮した商品を選んだり、社会的な課題に取り組んでいる事業者の商品を買ったりする消費活動のことです。

大量生産、大量消費、大量廃棄を行うことで開発途上国での過酷な労働や自然破壊による環境問題、資源の奪い合いによる紛争など多くの社会問題が発生しています。安さや品質だけを求めるのではなく、安全性や人や環境、社会への配慮がある商品かを基準に1人1人が消費行動を変えることで生産者の行動が変わり、資源をムダにしない社会を実現できます。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とエシカル消費

エシカルファッションとは?

エシカルファッションを直訳すると倫理的な服装となりますが、少し意味がわかりにくいですね。
エシカルファッションはエシカル消費に基づいた服の選び方で、環境問題、労働問題、社会問題に配慮した服装をすることです。

2006年にロンドンでアパレル会社の経営者などによって設立されたEthical Fashion Forum(エシカルファッション・フォーラム)によると、流行をとり入れた安価だが耐久性がなく毎年買い替える必要のあるファストファッションに反対する、生産する労働者の賃金や権利、労働環境を守っているなどエシカルファッションには10の基準があります。しかし、どうすればエシカルファッションを取り入れることができるのか考えてしまいますよね。

エシカルファッションを実行するために利用できるのが、服の素材や認証マークの確認です。エシカルファッションの素材には植物系自然素材やリサイクル繊維などがあります。たとえばオーガニックコットンは農薬や化学肥料を3年以上使っていない土地で育った綿花を原材料とする綿織物です。そのほか麻やテンセルなどの素材もあります。サトウキビやトウモロコシから生成したバイオ由来の化学繊維は、二酸化炭素の排出量の削減という観点からエシカルファッションの素材とされています。ペットボトルから作られたポリエステル繊維は、リサイクル素材です。

エシカルファッションの目印になる認証マークもあります。一番身近なのはエコマークではないでしょうか。地球を抱き締める両腕が、eの形になっているマークです。エコマークは、作られてから捨てられるまでの間の環境負荷が少ない商品につけられています。木の葉がデザインされたOCS認証は、オーガニック繊維で作られた商品であることを示します。GOTS認証(オーガニックテキスタイル世界基準)は円の中にシャツがデザインされています。オーガニック繊維の加工の世界基準です。

私は子供のころ近所のお姉さんからもらったピンク色の可愛いセーターがお気に入りでしたが、いま思うとそれはエシカルファッションでした。そう考えると、エシカルファッションを生活に取り入れるのはそれほど難しくないのかもしれません。おしゃれな古着を買うのもエシカルファッションです。今ある服を手入れして大切に長く着るのも、エシカルファッションといえます。エコバッグを持つこと自体がsdgsの目標達成に適う行動といえますが、そのエコバッグの素材がペットボトルならもっとよいということですね。

エシカルは当たり前、エシカルファッションジャパン

エシカルは当たり前、エシカルファッションジャパン

エシカルファッションを考えることも大切ですが、最初からエシカルに作られた服もあります。一般的にエシカルファッションはシンプルでベーシックなものが多く、草木染めを利用したりするなど色合いも自然でよいものを長く着られるのが特徴です。エシカルファッションとは思えないほどファッショナブルなブランドもあります。

エシカルファッションジャパンは、日本生まれのエシカルファッションを推進する団体です。運営しているのは株式会社 READY TO FASHIONで、WEBサービスの開発やデザイン、メディア、広告事業などを手がけています。ファッション業界の仕事を探せる求人プラットフォーム「READY TO FASHION」や、ファッションビジネスマッチングアプリ「fatch(ファッチ)」などのサービスを展開中です。

エシカルファッションジャパンの事業内容は、エシカルファッションを当たり前にするためのエシカルファッションのPRです。サイトを通じて、エシカルファッションのブランドを紹介したり情報を配信したりしています。エシカルファッションの普及のためのワークショップやイベントではエシカルについてともに考える場を提供し、エシカルファッションブランドのメッセージがよりよく伝わるように発信しています。

よいものを長く着るエシカルファッション

エシカルファッションは、環境問題や労働問題、社会問題に配慮して作られたファッションです。
エシカルファッションを身につけることで、SDGsの持続可能な開発目標の達成に近づくことができます。

エシカルファッションジャパンはエシカルファッションを推進するための団体で、日々エシカルファッションの普及のために尽力しています。

フェアトレードをわかりやすく解説!仕組みから商品まで

フェアトレードの歴史​

最近SDGsという言葉をよく耳にするようになったという方も多いと思います。その中でよく聞かれるのが、フェアトレードという言葉。フェアトレードとは、直訳すると”公正な取引”です。

言葉では知っていても、意味や仕組み、そしてフェアトレードが私達の生活にどのように関わっているのかということを知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、フェアトレードの歴史や仕組み、代表的な取り組みや商品など、フェアトレードに関わる様々なことをご紹介します。

ファッション業界における社会問題
ファッション業界における社会問題
ファストファッションブランドが登場し、消費者は低価格でトレンドアイテムを手に入れられるようになりました。服の製…

フェアトレードとは

フェアトレードを理解するには、公平でないトレードを理解するとわかりやすいです。例えばある野菜の価格が100円で、海外の原産国で作られていた場合。現地で生産し、それを輸送し、国内で流通させて手元に届くためのコストが、現地の国のものとなっていたら?その分のコストは、現地の労働者の低賃金労働によって支えられているとしたら?それは公平でない取引と言えるでしょう。

通常、トレードは双方が豊かになるものでなくてはなりません。しかし、実はこういった公平でないトレードは、残念ながら世界の各地で行われていました。フェアトレードとはこの逆です。つまり、適正な労働に対して、適正な賃金が支払われ、トレードをする双方が豊かになるトレードのことです。

フェアトレードが生まれた背景

フェアトレードを知ることは、私達の世界に広がる大きな歴史を理解することでもあります。本来は公平であるはずの取引きがなぜ公平でなくなってしまったのか。

取引が公平となるかどうか。それは国と国とのパワーバランスで決定されてきました。例えば第二次世界大戦後、欧米が植民地としていた多くの国は独立していきました。しかし、技術力や経済力がない植民地では、国際的に競争力のある製品を作ることができません。結果として、相手の言いなりになる価格で、食品や製品ををトレードすることを余儀なくされてきました。

ですがこれは第二次世界大戦前から、パワーのある国がそうでない国を虐げてきた歴史は、ずっと地球上で繰り返し行われてきたことです。しかし、公平でない貿易は、時には地球全体の成長を妨げる可能性を持っています。持続可能な成長のためにも、公平なフェアトレードがおこなれることは必要なことなのです。

フェアトレードという言葉や同じような概念は以前からありましたが、近年、SDGsへの関心の高まりもあって、改めてフェアトレードに注目が集まっています。

フェアトレードの歴史

フェアトレードの歴史​

フェアトレード、公正な貿易への概念が登場したのは、1880年代の話です。英国では、安価な輸入品が国内に入り込み、国内の需要や雇用を奪うという事態に直面しました。そこで、1881年に国民公正貿易同盟が結成されます。その後、第1次世界大戦後、ドイツや米国に比べ不利な状況にあった英国製品の購買運動が発生します。

ヒエラルキー的フェアトレード

また、1924年から25年にかけて、英国では、帝国の日を祝う帝国ショッピング運動が展開され、ケニアのコーヒーなど、北の恵まれた人々が、南の人々を支援するという運動が盛んに行われます。ただし、ここでは現在に繋がるような公正な貿易という概念ではなく、あくまでも貧困層と富裕層というヒエラルキーの階層を意識した運動でした。

その後の大きな運動としては、1946年、アメリカのTen thousand villagというNGOがプエルトリコの手芸品を販売したチャリティーバザーを行ったものがあります。その活動は後にヨーロッパにも広がりを見せましたが、その頃の活動はフェアトレードというより、慈善活動であるとみられており、公平な貿易をという趣旨でのものではなく、チャリティー的な側面が強くありました。

オールタナティブトレードへ

しかし、チャリティーでは一時的な支援にしかなりません。貧しい人が一時の支援で貧しさから抜け出したとしても、その支援がなくなれば、再び貧困に陥ってしまいます。

そのため、だんだんと貧困問題を自立支援を促すための取引で解決していこうという活動が1960年代に広がっていき、その流れは「オールタナティブトレード」と呼ばようになりました。1969年、オランダの第三世界グループより、世界ショップが立ち上がりその後欧州各地に広まっていくなど、さらなる広がりを見せております。

現代のフェアトレードへ

現代のフェアトレードに繋がる流れがでてくるのは、1970年代末からです。1979年、スコットランドにイコールエクスチェンジUKが設立され、フェアな貿易条件を模索するようになります。また、1985年には第三世界ネットワーク(TWIN)が結成され、そこで、代表のブラウンによって、フェアトレードという用語が使用されます。

1989年に設立された国際オルタナティブトレード連盟によって、定義されたフェアトレードは、現代のフェアトレードの原型となっており、国際社会において、フェアトレードへの流れが作られていくことになります。

フェアトレードの定義

フェアトレードは”公正な取引”です。ただ、どういった取引が公正かということは難しいものであり、実はその定義も様々です。ここでは、代表的なフェアトレードについて紹介します。

国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード認証ラベルは、その製品が定められた一定の基準を守っている場合に付与されるラベルになります。このラベルが貼られている商品は、設定されたフェアトレード基準を守っている商品です。国際フェアトレード基準は、開発途上国の生産者を守り、また労働者の持続可能な開発を促進することを目指して設計されています。経済、社会、環境をベースに、厳しい基準を定めています。

国際フェアトレード認証ラベルの基準の例

  • 最低価格の保障
  • 長期的な取引の促進
  • 安全な労働環境
  • 民主的な運営
  • 児童労働・強制労働の禁止
  • 有機栽培の症例
  • 遺伝子組み換え品の禁止

国際フェアトレード基準の詳しい説明はこちら

WFTOへの加入

Join-Us-World-Fair-Trade-Organization

 

 

wfto

フェアトレードの認証は、製品別ではなく、団体自体への認証もあります。WFTO(World Fair Trade Organization:世界フェアトレード連盟)に加入し、認証を受けることは加入団体がフェアトレードに関して定められた基準を満たしていることを証明しています。

WFTO(世界フェアトレード連盟)の10の基準

  • 生産者に仕事の機会を提供する
  • 事業の透明性をもつ
  • 公正な取引を実践する
  • 生産者に公正な対価を支払う
  • 児童労働および強制労働を排除する
  • 差別をせず、男女平等と結社の自由を守る
  • 安全で健康的な労働条件を守る
  • 生産者のキャパシティ・ビルディングを支援する
  • フェアトレードを推進する
  • 環境に配慮する

WFTOの公式ページはこちら

独自のフェアトレード

その他、日本では独自の基準に基づいたフェアトレードも盛んです。生産者から直接商品を購入したり、また、フェアトレードを実践する都市がフェアトレードタウンとして認定されるといった動きがあります。

これらは国際的な基準に基づいたものではなく、それぞれが独自に定めた基準によってフェアトレードと呼称しているので、もしフェアトレードに貢献したいと思う場合は、どういった形のフェアトレードかをしっかり調べておくといいでしょう。

フェアトレードの商品例

現在、フェアトレードはファッションや食品、雑貨まで様々な製品に広がりをみせています。ここでは国際フェアトレードの対象商品をご紹介します。

  • コーヒー
  • バナナ
  • チョコレート
  • はちみつ
  • 砂糖
  • お茶
  • コットン
  • サッカーボール

この他にも様々な商品がフェアトレードの対象商品となっています。

A VIEW FROM HERE

A VIEW FROM HERE

 

 

A View From Hererkb.jp

A VIEW FROM HEREは、フェアトレード認証コットンを利用したレディースアパレルブランドです。本製品は、できるだけ農薬の利用を減らし、自然の恵みを活かして栽培されたフェアトレード認証コットンを使い、着るSDGsを体験できる商品を販売しています。

Pamojah(パモジャ)

pamoja

 

 

rurubu.jp

Pamojah(パモジャ)は、大阪、西大橋近くにある雑貨店で、ラジオパーソナリティーの大塚由美さんが開いたSHOPです。店内には、海外から届くフェアトレード雑貨や食品、国内のオーガニック食品など、ストーリーの溢れる商品が陳列されています。

スターバックス

gatta

 

 

garra-media

身近なところでいえば、スターバックスにもフェアトレード認証コーヒーがあります。それがこちらのイタリアンローストコーヒー。パッケージに描かれたベスパは、何もしない喜びを意味する言葉。休日にゆったりと味わってもらいたいこだわりのコーヒーです。

フェアトレードでSDGsに参加しよう

フェアトレード商品を購入することで気軽にSDGsに参加することができます。もし興味をもった製品があったらぜひ購入してみてくださいね!

SDGsに配慮したエシカルファッションの特徴とおしゃれを楽しむ工夫

sdgsに配慮したエシカルファッションの特徴やおしゃれを楽しむ工夫について

時代の移り変わりとともにおしゃれの楽しみ方も変わりますが、お気に入りのファッションで身を包みたいと願う気持ちは不変と言えるでしょう。また、近年では環境への配慮も求められることから、おしゃれを楽しむ際は自分だけではなく環境のことも考えることが大切です。ここではエシカルファッションの詳細や環境に配慮したおしゃれの楽しみ方についてお伝えします。

おしゃれと環境保護の関係について

おしゃれと環境保護の関係について

人や環境に配慮したおしゃれ

エシカルファッションのエジカルは倫理的、道徳的などを意味する英語です。道徳的なおしゃれと翻訳できるエシカルファッションは自然環境や人に配慮したおしゃれと言えます。一着の服を例にすると、繊維や染料を作り、縫製や梱包、配送などの際に環境破壊の原因を作らないのがエシカルファッションの条件と言えるでしょう。繊維を取るために山林を切り開いて畑を作る、配送時に有害な排気ガスを出す乗り物を使うなどの行為は環境破壊に繋がりますが、そのような行為をできるだけ避けることが大切です。また、安価な服は大勢の労働者を不当に安い賃金で働かせて作っている問題も無視できません。同じ服作りでも地域による賃金格差があってはならないとされています。

服を安く売るには原材料費を安く抑える他、服作りに携わっている人の賃金を少なくする必要があります。エシカルファッションは公正な取引によって労働者の搾取を防ぐ意味があるのです。

SDGsが根底にある

エシカルファッションのエジカルは倫理的、道徳的などを意味する英語です。道徳的なおしゃれと翻訳できるエシカルファッションエシカルファッションが注目されている理由として SDGsの考え方が根底にあります。 SDGsは持続可能な開発目標を意味する英語の略称で、2015年の国連サミットで採決された国際目標です。貧困の撲滅や環境保護、公正の普及などが目標にされています。特に貧困の撲滅と環境保護はエシカルファッションと深い関わりがある目標です。労働者を不当に安い賃金で働かせ、環境を破壊して作られたファッション用品の需要を減らすためにはおしゃれを楽しむ人がそれぞれの方法で努力しなければいけません。また、目標が達成されたとしても再び貧困や環境破壊が常態化しないよう、努力を持続させる必要があります。

エシカルファッションはおしゃれを楽しむ人による、貧困撲滅と環境保護への責任の意思表示と言えるでしょう。また、企業は近年CSR経営を求められ、SDGsを守ることは、企業ブランドのイメージアップにもつながります。

エシカルファッションの楽しみ方

エシカルファッションの楽しみ方

ファストファッションの問題

エシカルファッションはファストファッションの対義語として使われた言葉です。ファストファッションは低価格な衣料品を短いサイクルで大量生産する業態で、エシカルファッションが注目されるまではファッション業界では主流な考え方でした。様々なおしゃれを少ない出費で楽しめる利点がありましたが、一方でファッション用品の大量生産は資源の枯渇や環境破壊の原因になっていたのも事実です。また、安価な製品を量産するために大勢の労働者を低賃金で働かせていることも問題視されました。このような問題から使い捨てのおしゃれとも称されていたファストファッションに代わり、環境や人に配慮したエシカルファッションが広まったのです。

公正な取り引きで販売された物を選ぶ

エシカルファッションを楽しむにはまず、フェアトレードで販売された物を選ぶことが大切です。フェアトレードは文字通り公正な取り引きを意味する言葉で、労働者の搾取を防ぐ方法として注目されています。フェアトレードの品物は安価な量産品の数倍ほど割高な価格なので簡単に購入できないのも事実です。しかし、不公平な賃金格差を解消するには購入する側の考え方を改める必要があります。フェアトレードは労働への対価を考え直すのに最適な方法と言えるでしょう。

資源や環境に配慮することも大切

ファストファッションは資源の無駄遣いや環境破壊を伴うことも問題視されていました。まだ十分に使うことができるファッション用品も流行遅れという理由で廃棄され、別のファッション用品が量産される状態だったのです。繊維や染料、鉱物などの有限な資源が浪費され、生産に伴う環境破壊は世界規模の悪影響をもたらしていました。このような状況を改善する工夫の一つがエシカルファッションです。農薬や化学肥料に頼らない自然農法で栽培された繊維や自然由来の染料を使う、古着を再利用するなどの方法が一般的です。

個人の工夫でエシカルファッションを楽しむことができる

環境保護や労働者の人権と聞くと大掛かりで大変なイメージがありますが、エシカルファッションは個人の工夫でも十分に楽しむことが可能です。流行遅れになったという理由でファッション用品を廃棄せず、大切に使い続けるだけでもエシカルファッションに取り組んでいると言えるでしょう。オーガニックコットンで作られた服や伝統的な技術で作られたヴィンテージ品を選ぶのもエシカルファッションの一種です。

おしゃれに対する考え方を見直すことが大切

おしゃれは自分だけで楽しむのではなく、周りのことも考えるのがエジカルファッションの根幹と言えるでしょう。このファッション用品はなぜ安価で販売されているのか、資源の扱いや環境への影響はどれほどなのかを考えることがおしゃれを楽しむ人に求められる姿勢です。一過性のことではなく、持続させて問題に取り組むことが重要になります。

SDGsとアパレル業界の取り組み事例をご紹介!

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SDGsという言葉を最近耳にするようになったという方も多いと思います。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略語で、日本語にすると「持続可能な開発目標」となります。今日はこのSDGsとアパレル業界の関係性、そして最新の取り組み事例を紹介したいと思います。

SDGsの17の目標

SDGsは、これまであった「MDGs(エムディージーズ)」に代わる新たな目標として、2015年9月に国連サミットで採択されました。SDGsは、貧困、不平等・格差、気候変動による影響など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるための目標です。

2030年までの達成を目指し、大きく17の世界的目標と169の達成基準が設定され、各国が国をあげて目標達成に取り組んでいます。

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miraimedia.asahi.com
  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

アパレル業界でいえば、例えば12番の「つくる責任、つかう責任」などがわかりやすいと思いますが、この17の目標は、直接的でなくても、間接的にすべての目標はアパレル業界に関わっていると言われています。貧困や飢餓をなくすためのフェアトレード、クリーンなエネルギーを使った生産、地域に根差した製品の開発など、私の生活の基本となる服は、あらゆるところでSDGsと繋がりを持っています。

SDGsはブランド価値を高めるキーワードに

SDGsに取り組むことは、企業として当然の責務です。ただそれ以上に、ブランド価値を高めるキーワードとしても使われています。近年では、多くのトップブランドが積極的にSDGsへと取り組み、またそれをアピールしています。アパレル業界にとって、SDGsとは単に企業として取り組むべき目標にとどまらず、ブランドとしての価値を確立するためのアクションとしても使われているいえるでしょう。

もちろん、それが例えブランド価値を高める目的があったとしても、SDGsに積極的に取り組むことは賞賛されるべきことだといえるでしょう。

アパレル業界の取り組み

では、アパレル業界が行っている具体的な取り組みとしてはどういったものがあるのでしょうか。アパレル業界では、特に3Rという言葉が有名です。3Rとは、REDUCE=削減、REUSE=再使用、RECYCLE=再資源化の3つです。アパレル業界では、これら3つを軸とした多くの取り組みが行われています。

フェアトレード

アパレル業界では、時に生産者の労働環境が問題となります。実際に、海外の劣悪な労働環境が原因で大きな事故が起こったりと、悲しい出来事が起こっています。生産者に公正な対価を支払い、また労働環境を守っていくフェアトレードは、アパレル業界に出来る取り組みの一つです。

フェアトレードをわかりやすく解説!仕組みから商品まで
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リユース

アパレル業界では毎年大量の廃棄が生まれています。その量は膨大で、日本だけでも年間約100万トンの衣類が廃棄されていると言われています。季節を外れていたり、ちょっとした欠陥で商品として使えなかったりと理由は様々ですが、いずれにせよ環境に大きな影響を与えています。

大量廃棄問題を解決するためにも、洋服の再利用であるリユースに取り組むことはアパレル業界の指名だといえるでしょう。

アパレル商品の廃棄問題を解決するSDGs
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アパレル業界において深刻なのは、売れ残った衣料品の廃棄問題です。大量のファッションアイテムはすべて売れるわけで…

無水染色

服を生産する過程で、最も負荷が高いと言われているのは、染色です。Tシャツ1枚をつくるために、2000リットル以上の水が消費されているとも言われ、染色のために大量の水が使われ、また廃棄されています。そのため、近年では、無水染色が注目されています。多くの企業が技術革新に力を入れ、無水染色は広がってきています。

環境に優しい自然素材の活用

ファッションのために多くの植物が消費されています。ですが、その中でも無農薬にこだわったり、環境に配慮した自然素材の活用が推進されています。例えば、オーガニックコットンです。オーガニックコットンは、コットンと同じ綿花ではありますが、3年以上、農薬や化学肥料を使わない農地での栽培、児童労働を行っていないなど、サステイナビリティに配慮して作られています。

サステイナブルな素材と種類を知ってファッションを楽しもう。
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オーガニックコットンの洋服はデメリットの方が多い?
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SDGsに取り組んでいる企業

ここまであげたことは、アパレル業界が取り組んでいる多くのことの一部にすぎません。国内外問わず、多くの企業がSDGsについて様々なアクションを起こしています。ここでは、その最新事例をご紹介します。

URBAN RESEARCH

URBAN RESEARCHは、Clothing Innovation(衣料資源の有効活用)、Clean Earth(地球環境負荷の軽減)、Community Building(コミュニティの形成)の3つのCを軸として、SDGsに取り組んでいます。自社製品のリユース、リサイクル支援、再利用素材を利用した店舗作り、地域と協働したものつくりなど、様々な活動をしています。

URBAN RESEARCHの取り組み事例はこちら

無印良品

無印良品は、創業以来から環境や社会に配慮したものづくりを続けており、様々なプロジェクトに取り組んでいます。例えば、POOLというプロジェクトでは、ものつくりの過程で発生するハギレ、端材、傷や汚れなどで販売できなくなった商品をためておき、新たな商品として再生さんするといった取り組みです。

無印良品の取り組み事例はこちら

ユニクロ

ユニクロは、リサイクルやリユースを始めとし、様々なサステイナブルなアクションを起こしています。例えばペットボトルから糸を生産し、新しい服を作ったり、廃棄される糸でバッグを作る。UNHCRとのパートナーシップにより、世界的な難民支援を行うなど、世界を代表するアパレルブランドとして、幅広くアクションを起こしています。

ユニクロの取り組み事例はこちら

SDGsと共にファッションを楽しもう

私達の生活に欠かすことができない衣服は、多くの人との関りの中で作られ、そして使われています。SDGsを意識することは、服に関わる全ての人を大切にする取り組みだといえるでしょう。これまで関心がなかったという方も、ぜひこれを機会にSDGsに興味をもっていただき、ファッションを楽しんでくださいね!

ファッション業界における社会問題

ファッション業界の低賃金や長時間労働、児童就労問題

ファストファッションブランドが登場し、消費者は低価格でトレンドアイテムを手に入れられるようになりました。服の製造に多くの発展途上国の人々が携わっていることにより、低価格が実現できています。ファッション業界は華やかに見せますが、その裏では、低賃金や長時間労働、児童就労などの深刻な労働環境が大きな問題となっています。

ファッション業界の低賃金や長時間労働、児童就労問題

ファストファッションの裏にある労働問題とは?

ファストファッションは、着る側からすれば大変ありがたいものです。安いから気軽に手が出せますし、流行が変わったらまた新しいものを買えばいいのです。しかしそれは裏を返せば、それだけその服を作っている人がいるということです。価格を抑えるために安い労働力で大量生産し、流行に後れないために厳しい納期を押し付けられている労働者の存在を、私たちは忘れてはいけません。

バングラデシュで起こった「ラナプラザの悲劇」は、ファッション業界にいるものなら一度は聞いたことはあるのではないでしょうか。

低賃金で長時間労働させられる労働環境

ファッション業界の問題点について、もう少し詳しく迫ってみましょう。世界的に大量生産・大量消費社会が一般的になり、ファッション業界でも、低価格で大量の服を作り短いサイクルで商品を入れ替えています。シーズンごとにトレンドに合わせた商品を作る必要もあるので、常に大量の服を作っています。そのため、発展途上国の工場では、女性や子ども関係なく長時間労働が課せられています。また、裁縫工場は低賃金の上、出来高制がほとんどです。長時間労働して服を作らないと、平均的な収入が得られない場合が多いようです。

多くの発展途上国の人たちが、ファッションブランドの裁縫工場で生計を立てています。これは、ファッションブランドが発展途上国でたくさんの雇用を生み出しているからです。こうした国では通常、求人数は少なく転職することが難しいのが現状です。そのため、どんなに過酷な労働環境であっても、裁縫工場で働くしか道はないんです。欠勤すると仕事を失う可能性もあるため、体調が悪くても長時間労働をする人がほとんどだといわれています。

児童就労問題について

ファッション産業では、児童就労も大きな問題となっています。世界中には1億人以上の児童労働者がいるといわれています。数ある業界の中でも、ファッション産業は難しいスキルがなくても作業できる工程があるので、児童労働者も仕事ができます。そして児童労働者の多くは、家計が苦しく働かなければいけない状況に追い込まれています。そのため、低賃金で危険な作業をさせられたとしても、文句を言わず働き続けなければいけません。こうした児童のほとんどは1日中働いており、教育を受ける時間がないのが現状です。

これはファッション業界の課題だけではなく、その国での児童に対する権利の低さや教育制度が整っていないことも問題といえます。また、裁縫工場は製造過程で化学物質を使うため、児童の健康状態も問題の一つです。成長期を劣悪な環境で過ごすため、子どもの健康状態に多大なる悪影響を与えています。

児童就労問題

労働環境の改善を目指すためには

ファストファッションブランドが増え、驚くほど安い価格で服を手に入れることができるようになりました。ファッションが好きな人の中には、ワンシーズン着たら古い服は捨てるという方もいるのではないでしょうか。服を購入する時、消費者である私たちが少し意識をするだけでブランド側の考えや労働環境を変えることができるかもしれません。

労働問題などを改善するためのエシカルファッションについてはこちら↓の記事をご覧ください。
エシカルファッションの意味や問題点と今日から出来る取り組みとは?
エシカルファッションの意味や問題点と今日から出来る取り組みとは?
SDGsへの関心の高まりと共に、ファッション業界でもエシカルファッション(Ethical Fashion)とい…

アパレル商品の廃棄問題を解決するSDGs

アパレル商品の廃棄問題を解決するSDGs

アパレル業界において深刻なのは、売れ残った衣料品の廃棄問題です。大量のファッションアイテムはすべて売れるわけではありません。中には大量に売れ残ってしまうものもあり焼却処分されます。環境問題などに関係するもので社会問題にもなっています。上記のような問題を解決するSDGsはどのような活動なのか知っておきましょう。

アパレル商品の廃棄問題を解決するSDGs

企業はどんな取り組みを行っているのか

SDGsはどんなものなのか

ファストファッションやブランドの洋服などは、売れ残る場合もあります。売れ残ったアイテムは焼却処分されるものも多く、一時は環境団体からクレームも来ました。SDGsはサスティナブルディベロップメントゴールという意味の言葉で、いくつかの要素から成り立っています。例えばすべての人を健康にする、貧困をなくすといった活動を行います。ファッション業界でも注目されている活動で、大量生産や環境問題に対応します。

リネームについて知ろう

アパレル業界が行っているSDGsの1つにリネームと呼ばれるものがあります。売れ残った洋服を廃棄するのでなく、再販をするものでもありません。タグを付け替えて別の商品として販売するものです。そうすることによって製造元や元となったブランドに傷をつけることなく商品を売ることができます。うまく利用すればアパレルの廃棄量を減らすことが可能です。ショーではヴィンテージアイテムを使ったり、オーガニックコットンのアイテムを取り入れるなど、環境に配慮したコーディネートも登場しています。

古い服を書き換える活動

ファッション業界では90年代などにリリースされた洋服を書き換える作業も行っています。古い商品は汚れているものや、型が古いものもあります。そこで形状をアレンジして染め直すことによって、新規商品として販売をしています。衣料廃棄が問題となっている状況において、売れ残った商品を再構築して販売する手法を用いることで、廃棄問題解決に取り組んでいます。再構築された洋服は基本的に一点物となっているので、同じものはありません。

ファッションショーを行い認知度を高めている

2020年には静岡市でSDGsの推進ファッションショーを行っています。ファションショーは2019年から開始されていて、のべ7230人が来場しました。毎回テーマを設けて、テーマに沿ったファッションショーを開催しています。スペシャルゲストやモデルの参加などもあり、多くの方にSDGsの重要性を発信しました。

衣料品の廃棄問題を解決してくれるSDGs

廃棄をなくし洋服の有効利用をするSDGsはアパレル業界の将来を担う

衣料品の廃棄問題を解決してくれるSDGsは多くの企業が取り入れています。例えば売れ残ったブランド品をリネームして販売する、過去に販売された洋服を再構築して新商品として売るといった活動を行っています。またファッションショーを行いアパレル商品の廃棄問題を世間に広めています。上記のような活動を行うことによって、少しずつ衣料品に関係する廃棄問題や環境問題は解決できます。

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