ファッション業界は、衣服の生産から廃棄に至るまでの環境負荷が非常に大きく、海外では、サステナブルファッションへの取り組みが課題となり、急速に広がっています。一方、日本での取り組みについては、限定的なものに留まっています。この記事では、サステナブルファッションで個性を輝かせ、自分らしさを楽しむためのポイントを紹介します。

サステナブルファッションへの関心と行動を

サステナブルファッションへの関心と行動を

サステナブルファッションとは、“衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのこと(環境庁)”です。しかし、この説明では少しわかりづらいかもしれませんね。サステナビリティを認証する会社、エコ・エイジ(Eco-Age)の創始者であり、ブランドコンサルタントであるリヴィア・ファースが「洋服を買うときに必ず『最低でも30回は着るだろうか』と自分に問いかけることです。答えがイエスなら買いましょう」と語っていますが、サステナブルファッションとは、まさに、そんな洋服と言えるでしょう。

それでは、サステナブルファッションに関心のある人はどのくらいいるのでしょうか。環境省の調べによると、関心があり具体的に行動している、あるいは、これから実行しようと思っている人が8%、関心があっても行動を起こしていない人が51%になっています。つまり、行動を起こす、起こさないに関わらず、サステナブルファッションに関心のある人が6割にのぼっていることがわかります。この調査は、サステナブルファッションへの関心の高さを示す結果となりました。

長く大切に着られるお気に入りの洋服を

エコ・エイジのリヴィア・ファースが語るような、最低30回着られる1着を手に入れるには、今までの着慣れた洋服よりも少し高めですが、丁寧な作りで、高品質な洋服を買うようにしなければならないかもしれません。例えば、ヨーロッパで流通しているクロム(鉱石の一種)フリーの皮革、洋服のアクセントとして装飾された無鉛のクリスタルやニッケルフリーの金属メッキなど、細部までサステナブルにこだわった洋服は、きっとお気に入りの1着になるはず。長く、大切に着続けたいですね。

サステナブルファッションをエンジョイしたい

サステナブルファッションをエンジョイしたい

サステナブルファッションを楽しむためのポイントを4つ挙げてみました。

自分が着る服の情報を入手する

サステナブルファッションで自分の個性を輝かせ、自分らしいおしゃれを楽しむには、まず、自分が着る洋服について知ることが大切でしょう。サステナブルファッションを装うということは、環境問題に対する意識の高まり、さらには、自分の価値観をはっきりと示すことになります。自分の着る服の素材がどこで調達されているのか、使われている素材や生産プロセスは本当にサステナブルなのかなどを確認することもエココンシャスにとって重要なポイントです。インターネットで簡単にリサーチできるので、自分の価値観に合った洋服選びをするのも楽しいですね。

服にひと手間加えることで愛着がわく

たまたま何かにひっかけてしまって、お気に入りの洋服の生地がほつれて着られなくなってしまう、そんな経験がありませんか。たとえそうなってしまっても、洋服を捨てる必要はありません。服のお直しを施してくれるお店や、自社製品をリペアしてくれるブランドもありますから、そうしたところにお直しやリペアを依頼してみてはいかがでしょうか。あるいは、手先が器用な人は、自分で服の修理方法を学び、洋服に少し手を加えて、新たな魅力を引き出すのも楽しいですね。お気に入りの服にひと手間加えると愛着が倍増しますし、また、自分だけのオリジナルへと変身するのも嬉しいですね。

高品質な洋服を選ぶ

洋服選びの際に、思い切って、量よりも質のサステナブルファッションを選択するのも1つのポイントでしょう。例えば、安価なタートルネックのセーターの場合、購入後、比較的早い時期で色褪せしたり、ほつれが生じたりすることがあります。色褪せは修理できないし、素材そのものの品質がよくないと、ほつれをうまく直せない可能性があります。一方で、高品質でサステナブルな洋服は、コストがかかりますが、その分修理が利くため長く着ることができます。また、価格の高い服は、年月が過ぎても形崩れせず、色褪せもしづらいうえ、丁寧に着ることで購入時の状態を長く保つことができます。高品質の洋服は、購入時にコストがかかりますが、長く着ることを念頭におけば、考え方次第でコストパフォーマンスを上げることができるかもしれません。

洋服のお手入れをする

お気に入りの洋服を長く、良い状態で着続けるためには、素材にあったケアや洗濯が必要です。そうすることで、洋服を長持ちさせることができます。例えば、カシミアは撥水性が弱く、水分が付着したままにしておくとシミになる場合があります。水分が付いたらすぐにふき取って乾燥させることで、カシミアの風合いを保つことができます。また、綿素材のジーンズは、洗濯すると縮んだり色落ちしたりすることがあるため、裏返しにし、ネットに入れて洗濯機で洗います。こうした手間をかけることで、洋服を長く、良い状態に保つことができます。

サステナブルファッションで自分の個性を発揮する

サステナブルファッションとは、お気に入りの洋服を長く、大切に着ることと言えるでしょう。そのためのポイントは、1)自分の着る洋服に関心を持ち、調べること、2)お直しやリペアを施し、洋服を大切にすること、3)素材の良い洋服を選ぶこと、4)洋服のお手入れをすること、が挙げられます。サステナブルな洋服で自分の個性を発揮し、サステナブルファッションを楽しみましょう。


Recommended Posts