「日本製(MADE IN JAPAN)」は海外で人気のほか、日本人でも日本製とあると安心しませんか。

昭和の古い時代は日本製が当たり前だったのが、高度成長期を経てバブルに突入すると、次第に日本メーカーで販売する製品も海外製が多くなりました。
そのため、日本製品は高級で買いにくいと感じる日本人が増えています。

一方で、日本は技術が高い、丁寧に作られているとして外国人観光客に人気があることや国内販売ではなく輸出される割合も多いです。

ここでは、アパレル製品を例に、そもそも「日本製(MADE IN JAPA)」の 表記は、製造工程がどうであれば表記ができるのかについて見ていきましょう。

国産の基準とは

どのようなプロセスで製造されていたら、「日本製(MADE IN JAPAN)」の 表記ができるのでしょうか。

この点、食材については一定の基準が設けられています。

畜産物や水産物の場合、肥育期間が最も長い場所が生産地となります。

たとえば、牛肉の場合、アメリカやオーストラリアで生まれた牛であっても、その地で1ヶ月月育った後に日本に輸出され、日本で1ヶ月より長く育てられてから販売する場合、それは国産牛です。

ウナギの養殖の場合も、日本で稚魚が生まれ、すぐに中国に輸出されて、そこで1ヶ月育ち、さらに日本に輸入されて2ヶ月育てられれば、それは国産ウナギになります。

では、アパレル製品はどうなのでしょうか。

「日本製(MADE IN JAPAN)」の表記が認められるには

アパレル製品においては、明確な国際基準も国内基準もありません。

ただし、海外においては法律などで基準を定めているケースがあります。

そのため、厳密にいうと、輸出する場合には、輸出される国の基準に合わせ、MADE IN JAPANと表記するかを検討することが必要です。

海外においては、MADE IN JAPANの製品は人気なので、輸出したい国に合わせて基準を満たせるかを検討し、基準を満たすなら表記するほうが売れます。

一方、国内においては最終工程が日本で行われていれば、「日本製(MADE IN JAPAN)」と表記できるのがアパレル業界の定説です。

たとえば、国内で栽培された綿や麻といった国産素材を用い、日本のメーカーが日本の工場で、日本人の職人の手で製造した製品は、「日本製(MADE IN JAPAN)」であることは、多くの人が納得されると思います。

ですが、最終工程が日本国内で行われればいいので、以下のようなケースも、「日本製(MADE IN JAPAN)」と表記することが可能です。

素材は輸入品

よくインド綿やエジプト綿など、海外製の素材の名称が表示されている場合や良い素材だと説明されているケースがあります。
また、バッグや財布などに使われる皮革については、日本には製革メーカーが限られているので、多くがイタリアなどの海外からの輸入品です。

素材が輸入品を使っていても、国内で加工されていれば、「日本製(MADE IN JAPAN)」と表記できます。
日本の革職人が手作りしたベルトやバッグ、財布や靴は「日本製(MADE IN JAPAN)」になります。

国内工場のスタッフが全員外国人

素材が国産か輸入品かを問わず、国内工場で製造すれば、「日本製(MADE IN JAPAN)」と表記することが可能です。

たとえば、日本にある工場で作業するスタッフ全員が外国人労働者や技能実習生であっても、それは「日本製(MADE IN JAPAN)」なのです。

最近は外国人労働者が多く集まる街も多く、経営者や工場長、指導者だけが日本人といったケースも少なくありません。
もちろん、日本のメーカーの技術やノウハウにもとづいて製造された品質も保証されたものです。

ですが、日本人は仕事が丁寧、日本人は技術が高く、細かい仕事ができるという点を求めるのであれば、厳密にいうと「日本製(MADE IN JAPAN)」とは認めたくないという方もいるかもしれません。

海外メーカーや海外ブランド品

これは面白いケースですが、世界的にも有名な海外のアパレルメーカーや海外ブランドが、日本の素材を使って日本の工場で日本の職人の手作りで製品を製造しているケースがあります。

日本市場向けに日本人の体型などを考慮してデザインされた日本向けモデルです。

ブランド名は海外ブランドなのに、「日本製(MADE IN JAPAN)」というギャップがあるのが面白いです。

逆にいえば、日本のメーカーが手掛け、日本で販売する商品でも、海外の工場で作られていれば、それは海外製になります。
海外の工場で日本人が作っていたとしても海外製です。

まとめ

アパレル製品においては、明確な国際基準も国内基準もなく、「日本製(MADE IN JAPAN)」の 表記は、製造工程において最終工程が日本であれば良いと解されています。

そのため、素材が輸入品であっても、国内工場のスタッフがすべて外国人であっても、メーカーやブランドが海外のものであっても、最終的な加工地が日本であれば「日本製(MADE IN JAPAN)」です。

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