お気に入りの服を着て出かけると気分が上がりますよね。
しかし、その服がどのようにしてできているのかにまで思いをはせることは難しいかもしれません。

安くてトレンドを取り入れた服が氾濫し、まだ着られる服が捨てられるという事態が起こると社会はどうなるのでしょうか。
エシカルファッションの普及を通して、社会的な問題の解決に取り組んでいる団体をご紹介します。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とエシカル消費

SDGsはSustainable Development Goalsの頭文字をとった省略形で、2015年の国連サミットで採択されました。持続可能な開発目標と訳され、世界中の人が2030年までに解決すべき17の目標が示されています。この目標を達成することで世界中の人が幸せに、豊かな恵みにあふれた地球で生き続けることができるようになります。17の開発目標はそれぞれが関連しながら成立しており、課題の解決に向けた行動をいくつか同時に行うとより効果的です。

SDGsの17の達成目標のうちの12番目に「つくる責任つかう責任」があります。エシカル消費はこの目標に関連する言葉です。エシカル(Ethical)は倫理的と訳されます。道徳やモラルと似た意味ですが、社会の中で他人と一緒に生きるために必要な態度といったところでしょうか。簡単にいうと人や社会、環境のことを考えて行動することです。エシカル消費とはそれぞれが社会的問題の解決に考慮した商品を選んだり、社会的な課題に取り組んでいる事業者の商品を買ったりする消費活動のことです。

大量生産、大量消費、大量廃棄を行うことで開発途上国での過酷な労働や自然破壊による環境問題、資源の奪い合いによる紛争など多くの社会問題が発生しています。安さや品質だけを求めるのではなく、安全性や人や環境、社会への配慮がある商品かを基準に1人1人が消費行動を変えることで生産者の行動が変わり、資源をムダにしない社会を実現できます。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とエシカル消費

エシカルファッションとは?

エシカルファッションを直訳すると倫理的な服装となりますが、少し意味がわかりにくいですね。
エシカルファッションはエシカル消費に基づいた服の選び方で、環境問題、労働問題、社会問題に配慮した服装をすることです。

2006年にロンドンでアパレル会社の経営者などによって設立されたEthical Fashion Forum(エシカルファッション・フォーラム)によると、流行をとり入れた安価だが耐久性がなく毎年買い替える必要のあるファストファッションに反対する、生産する労働者の賃金や権利、労働環境を守っているなどエシカルファッションには10の基準があります。しかし、どうすればエシカルファッションを取り入れることができるのか考えてしまいますよね。

エシカルファッションを実行するために利用できるのが、服の素材や認証マークの確認です。エシカルファッションの素材には植物系自然素材やリサイクル繊維などがあります。たとえばオーガニックコットンは農薬や化学肥料を3年以上使っていない土地で育った綿花を原材料とする綿織物です。そのほか麻やテンセルなどの素材もあります。サトウキビやトウモロコシから生成したバイオ由来の化学繊維は、二酸化炭素の排出量の削減という観点からエシカルファッションの素材とされています。ペットボトルから作られたポリエステル繊維は、リサイクル素材です。

エシカルファッションの目印になる認証マークもあります。一番身近なのはエコマークではないでしょうか。地球を抱き締める両腕が、eの形になっているマークです。エコマークは、作られてから捨てられるまでの間の環境負荷が少ない商品につけられています。木の葉がデザインされたOCS認証は、オーガニック繊維で作られた商品であることを示します。GOTS認証(オーガニックテキスタイル世界基準)は円の中にシャツがデザインされています。オーガニック繊維の加工の世界基準です。

私は子供のころ近所のお姉さんからもらったピンク色の可愛いセーターがお気に入りでしたが、いま思うとそれはエシカルファッションでした。そう考えると、エシカルファッションを生活に取り入れるのはそれほど難しくないのかもしれません。おしゃれな古着を買うのもエシカルファッションです。今ある服を手入れして大切に長く着るのも、エシカルファッションといえます。エコバッグを持つこと自体がsdgsの目標達成に適う行動といえますが、そのエコバッグの素材がペットボトルならもっとよいということですね。

エシカルは当たり前、エシカルファッションジャパン

エシカルは当たり前、エシカルファッションジャパン

エシカルファッションを考えることも大切ですが、最初からエシカルに作られた服もあります。一般的にエシカルファッションはシンプルでベーシックなものが多く、草木染めを利用したりするなど色合いも自然でよいものを長く着られるのが特徴です。エシカルファッションとは思えないほどファッショナブルなブランドもあります。

エシカルファッションジャパンは、日本生まれのエシカルファッションを推進する団体です。運営しているのは株式会社 READY TO FASHIONで、WEBサービスの開発やデザイン、メディア、広告事業などを手がけています。ファッション業界の仕事を探せる求人プラットフォーム「READY TO FASHION」や、ファッションビジネスマッチングアプリ「fatch(ファッチ)」などのサービスを展開中です。

エシカルファッションジャパンの事業内容は、エシカルファッションを当たり前にするためのエシカルファッションのPRです。サイトを通じて、エシカルファッションのブランドを紹介したり情報を配信したりしています。エシカルファッションの普及のためのワークショップやイベントではエシカルについてともに考える場を提供し、エシカルファッションブランドのメッセージがよりよく伝わるように発信しています。

よいものを長く着るエシカルファッション

エシカルファッションは、環境問題や労働問題、社会問題に配慮して作られたファッションです。
エシカルファッションを身につけることで、SDGsの持続可能な開発目標の達成に近づくことができます。

エシカルファッションジャパンはエシカルファッションを推進するための団体で、日々エシカルファッションの普及のために尽力しています。

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