とくに、田畑では、もみ殻を炭化させたくん炭(燻炭)が大活躍しています。
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くん炭とは
くん炭は、お米を精米する時にでるもみ殻を炭化したものです。通常、炭は1000度を超える高温で炭化させますが、くん炭は400度以下の温度でじっくりと蒸し焼きにします。
本来は廃棄物となるもみ殻を使っていて、エコロジーかつ低コストで作れるのも農業で使われる理由の一つです。また、化学薬品等を一切含まないため、自然にも体にも優しい土壌改良材として人気があります。
くん炭の作り方
実は、くん炭は家庭でも作ることができます。必要な材料は「もみ殻」「薪」「水」「くん炭用煙突」です。もみ殻は精米所やお米屋さんでもらうこともできますが、それは少しハードルが高いという場合は、インターネットで注文することもできます。もみ殻は200リットルほど用意するようにしましょう。煙突はインターネットで購入しましょう。
それではさっそく、くん炭の作り方を解説していきます。
※注意 火を扱うので十分な広さがある場所で行いましょう。また、作っている間はかなり煙がでます。周囲に民家がある場所などですと火事に間違われる場合があるので注意してください。
- まずは煙突の中に薪を組んで火をつけます。
- 火がついたのを確認したら、周りにもみ殻をかけます
- 煙突の周囲のもみ殻がこげつくので適宜まぜます。
- もみ殻全体が黒くなったら、煙突を外し、水をかけます。
- 全体を混ぜて温度を下げます。
ちなみに、量にもよりますが5、6時間ほど時間がかかる場合があります。始めは少量から挑戦するといいでしょう。
くん炭の驚きの効果とは?
くん炭には、土壌を改良するだけでなく、多くの驚くべき効果があります。
酸性の土壌をアルカリ性に
くん炭に含まれる炭酸カリウムや炭酸ナトリウムには、酸性の土壌をアルカリ性にしてくれる効果があります。また他の化学肥料と反応する心配がなく、安心して使うことができます。
排水性が高い
炭の表面には、孔と呼ばれる微細な穴が無数に空いてます。そのため、高い排水性があり、適切に水量を調整してくれます。
土に酸素を与える
孔には多量の空気が含まれていて、土に酸素を与えることで、栄養価の高い土が作られます。
害虫を寄せ付けない
作物に影響を与える害虫は、有機物を分解する際の臭いに引き寄せられます。くん炭を使うことで、土の腐敗が抑えられ、害虫を寄せ付けずらい土にしてくれます。
発芽率をあげる
特に玉ねぎなどを育てる場合は、くん炭を使うことで発芽率を上げることができます。
ミネラルを補給
くん炭には、ミネラル、ナトリウムなどミネラルが含まれていて、土に栄養を与えてくれます。
微生物の増殖
炭に空いている孔は微生物にとって格好の住処となります。微生物達は有機物を分解し、作物にとって有益な養分を与えてくれます。
くん炭の使い方
くん炭は、ほとんど窒素が含まれていないため、窒素を含んだ肥料と一緒に使うと効果を発揮してくれます。
植える前に土に混ぜる
作物を植え付ける前に、土の1割ほどの量を目安に、混ぜ込みます。こうすることで、作物が育ちやすい土壌を作ることができます。
苗にまく
くん炭は苗にも使えます。特に乾燥に弱い作物に効果的で、0.5cm~1cmほどの厚さになるように苗を覆うことで、太陽光を吸収し、土の蒸発を防ぎ、乾燥を防ぎながらいい土壌を育んでくれます。
マルチング
マルチングとは、土の表面をビニールなどで覆うことです。よく畑の表面などにビニールが張ってあるのを見たことがある方もいると思います。マルチングは、天候や害虫などから植物を守ったりという目的で行いますが、くん炭もマルチングの資材として使うことができます。
終わりに
本日は、炭を田畑で利用する方法を紹介しました。炭は近年のSdgsへの注目もあって、自然環境に優しい肥料として注目されています。家庭菜園などをされている方も、ぜひくん炭を試してみてくださいね!炭と共に豊かな暮らしを楽しんでください。