ファストファッションブランドが登場し、消費者は低価格でトレンドアイテムを手に入れられるようになりました。服の製造に多くの発展途上国の人々が携わっていることにより、低価格が実現できています。ファッション業界は華やかに見せますが、その裏では、低賃金や長時間労働、児童就労などの深刻な労働環境が大きな問題となっています。

ファッション業界の低賃金や長時間労働、児童就労問題

ファストファッションの裏にある労働問題とは?

ファストファッションは、着る側からすれば大変ありがたいものです。安いから気軽に手が出せますし、流行が変わったらまた新しいものを買えばいいのです。しかしそれは裏を返せば、それだけその服を作っている人がいるということです。価格を抑えるために安い労働力で大量生産し、流行に後れないために厳しい納期を押し付けられている労働者の存在を、私たちは忘れてはいけません。

 

バングラデシュで起こった「ラナプラザの悲劇」は、ファッション業界にいるものなら一度は聞いたことはあるのではないでしょうか。

低賃金で長時間労働させられる労働環境

ファッション業界の問題点について、もう少し詳しく迫ってみましょう。世界的に大量生産・大量消費社会が一般的になり、ファッション業界でも、低価格で大量の服を作り短いサイクルで商品を入れ替えています。シーズンごとにトレンドに合わせた商品を作る必要もあるので、常に大量の服を作っています。そのため、発展途上国の工場では、女性や子ども関係なく長時間労働が課せられています。また、裁縫工場は低賃金の上、出来高制がほとんどです。長時間労働して服を作らないと、平均的な収入が得られない場合が多いようです。

多くの発展途上国の人たちが、ファッションブランドの裁縫工場で生計を立てています。これは、ファッションブランドが発展途上国でたくさんの雇用を生み出しているからです。こうした国では通常、求人数は少なく転職することが難しいのが現状です。そのため、どんなに過酷な労働環境であっても、裁縫工場で働くしか道はないんです。欠勤すると仕事を失う可能性もあるため、体調が悪くても長時間労働をする人がほとんどだといわれています。

児童就労問題について

ファッション産業では、児童就労も大きな問題となっています。世界中には1億人以上の児童労働者がいるといわれています。数ある業界の中でも、ファッション産業は難しいスキルがなくても作業できる工程があるので、児童労働者も仕事ができます。そして児童労働者の多くは、家計が苦しく働かなければいけない状況に追い込まれています。そのため、低賃金で危険な作業をさせられたとしても、文句を言わず働き続けなければいけません。こうした児童のほとんどは1日中働いており、教育を受ける時間がないのが現状です。

これはファッション業界の課題だけではなく、その国での児童に対する権利の低さや教育制度が整っていないことも問題といえます。また、裁縫工場は製造過程で化学物質を使うため、児童の健康状態も問題の一つです。成長期を劣悪な環境で過ごすため、子どもの健康状態に多大なる悪影響を与えています。

児童就労問題

労働環境の改善を目指すためには

ファストファッションブランドが増え、驚くほど安い価格で服を手に入れることができるようになりました。ファッションが好きな人の中には、ワンシーズン着たら古い服は捨てるという方もいるのではないでしょうか。服を購入する時、消費者である私たちが少し意識をするだけでブランド側の考えや労働環境を変えることができるかもしれません。

労働問題などを改善するためのエシカルファッションについてはこちら↓の記事をご覧ください。

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