最近では至る所でサステナブルないしは持続可能という言葉が使われるようになってきています。

地球環境は年々悪化しており、私たちの文化そのものを転換しなければ地球では住めないのではないかという状況にまで陥ってしまいました。

こうした状況を打開するためにもサステナブルな経済を模索する必要があるのです。

今回はサステナブルファッションについて見ていきましょう。

そもそも、服を製造するためにはたくさんの資源が必要とされます。

服を製造するのに欠かせない素材だけではありません。

一枚のTシャツを作るだけでもたくさんの水が使われるのです。

当然ながら工場を稼働させる過程で、二酸化炭素も排出せざるを得ません。

このように服を作ることは環境には良くないことなのですが、それだけでなく、服を捨てることも環境にとって悪影響を及ぼします。

現在世界で最も着られている素材の一つにポリエステルがありますが、これは合成繊維であるためリサイクルができません。

プラスチック同様分解されないので、土壌や水質汚染を引き起こしてしまうのです。

このように、従来のファッション業界の在り方を続けていると地球環境は悪くなっていく一方です。

こうした状況を打開するために、サステナブルファッションという新たな試みが求められるようになっています。

サステナブルファッションとはどんなものか?

では、サステナブルファッションとは具体的にどういうものを指すのでしょうか。

一例としては、丈夫な素材で作られたファッションなどもサステナブルファッションに含まれます。

従来のファストファッションは数ヶ月着ればすぐに傷んでしまうので、新しいものに取り換えるというモデルが採用されていました。

確かに、こうしたほうがファッションを売る側としては、常に新しい服を売ることができるので、多くの利益があげられるでしょう。

とはいえ、最初に見たようにたくさんの服が廃棄されると地球環境は悪化していきます。

一方で、1つの服を1年、2年と長く使い続けていくことは、それだけで持続可能な取り組みと評価することができるでしょう。

そのほか、穴が空いてしまったり生地がほつれてしまったりした服でも、捨てずに修理して使う試みもまたサステナブルと言えます。

地球環境だけではなく動物や人々をも守るサステナブルファッション

また、サステナブルファッションは動物愛護の観点から見ても重要な取り組みです。

服を作るうえでは毛皮は欠かせません。

とはいえ、生きている羊やミンクなどから毛皮を刈ることは時に残酷になってしまいます。

こうした実態を見直し、動物への倫理的な態度を育むという意味でも、サステナブルな取り組みは必要です。

そのほか、ファストファッションは貧しい国の労働力をもとに作られることがしばしばです。

彼らは、先進国の人々に比べて安い給料で長時間働くことが珍しくありません。

私たちはそういった人々の犠牲のうえで安いシャツなどを着ているのです。

こうしたことは、必ずしも倫理的とは言えないでしょう。

人々や動物が幸福に暮らせるためにも、私たちはファッションの在り方を見直さなければいけません。

サステナブルファッションの市場規模は?

では、こうしたサステナブルファッションはどれだけ広がりを見せているのでしょうか。

一例としてファッション業界全体がどれだけの市場規模を持っているかを調査するという方法があります。

総務省によると、1990年まで日本人は一枚の服におよそ7,000円を使っていました。
一方で、2019年はおよそ3,000円にまで減っています。

これは安く服を提供するファストファッションの影響が大きいでしょう。

加えて、服の供給量は1990年は20億点でしたが、2019年には35億点にまで増えています。

これはつまり、安い服が大量に市場に出回っているということを意味するといって良いでしょう。

残念ながら日本ではまだまだサステナブルファッションが根付いておらず、依然として大量生産大量消費の考え方から脱却できていないと言わざるを得ません。

サステナブルファッションの将来は?

とはいえ、こうした状況を見たうえでやはりサステナブルファッションは流行らないと悲観する必要はないです。

そもそも持続可能な社会を目指す取り組みはまだまだ始まったばかりです。

特に現在は、学校教育の過程で地球環境がいかに危ないかと教えられた若い世代が増えてきています。

彼らが危機意識を持って日々の生活を見直していけば、サステナブルファッションが注目される日もそう遠くはないでしょう。

まとめ

サステナブルファッションと一口に言っても、イメージが掴みにくい人も多くいるでしょう。

実際、日本において持続可能なファッションがなかなか根付かないのも人々の間での啓蒙が足りていない側面は否めません。

サステナブルファッションの市場規模を拡大し、人々にとってこうした取り組みが身近に感じられることを目指す必要があるでしょう。

Recommended Posts