日本製といえば真っ先に価格が高いと答える方が多いですが、ただ高いだけではありません。
高くなる理由が存在しており、それらは消費者にとってメリットや信頼につながっています。

ここでは、日本製が高い理由、商品を安くするために必要なことなどについて説明していきます。

なぜ日本製は全般的に高いのか

日本製品といえば高いというイメージがあることでしょう。
円高の影響なども少なからず影響していますが、根本的な原因は別のところにあります。
日本は資源が十分にないので、海外から輸入しなくてはいけません。

自国で調達できる状況と比べて高コストになるため、それを商品価格に反映させることになります。

製造コストが上がれば上がるほど、商品は高くなっていくのです。
さらに、手間暇をかけて丁寧に作っていく側面も見逃せません。

電気製品を例にしても日本製は非常に壊れにくく、長持ちする特徴があります。
それゆえ、ただ高いだけでなく、費用対効果で見ると優れているのです。

どんなに安くともすぐに故障し、頻繁に修理・買い替えをしているようだと、トータルで考えると高い買い物になってしまうでしょう。

日本製は意味もなく高い価格設定になっていると思われがちですが、徹底した品質管理を行っているからこそ高くなるわけです。

日本人は商品の品質にシビア

日本人は、諸外国の人たちと比べて、神経質で細かいことが気になると言われています。
商品に求めるハードルが高いので、企業側は品質の向上・管理を重視します。
しかし、品質を上げるためには、必ず相応の費用がかかるのです。

食品を例にしても外国産より国産のほうが高いものが多いでしょう。
品質を上げる、故障のリスクを下げる、安全性を高める、などの対策には費用がかかります。
それゆえ、必然的に日本製は高くなってしまうのです。

逆に日本人が商品に求めるレベルを下げれば、次第に商品価格は下がっていくでしょう。
ただ長い年月をかけて培われた国民性は、すぐに変わるものではありません。

それゆえ、これから先も商品価格は高い状態が持続すると考えられます。
商品価格と国民性には思いのほか深い関連性があるのです。

高いだけでなく高機能

日本製の電気製品の説明書を見た時、そのぶ厚さに驚いたという人は多いでしょう。
テレビのリモコンには、無数のボタンが付いています。
一方で、数十のボタンがあっても、実際に使用するのは数個という人が多いはずです。

トイレを例にしても、日本のそれは世界で最も高機能だと言われています。
現在は温水洗浄便座が幅広く普及していますが、世界を見渡しても日本ほど普及している国はありません。

つまり、日本人はすべての商品に対して高機能を求める傾向があるのです。
機能は低いよりも高いほうが良いですが、高機能になるほど開発・製造コストは高額になります。

しかも、そうした機能は、一部しか使用しないという人が少なくありません。
多機能を追求するとさまざまな動作ができるようになる反面、機能を使いこなせない、操作性が複雑で迷ってしまうなどの弊害が発生してきます。

日本製の商品にシンプルイズベストの概念が広がれば、商品は次第に安くなっていくはずです。

伝統的文化と価格の関係

日本という国は大変歴史が古く、それはものづくりに顕著に表れています。
たとえば、印鑑を使用している国は、日本を含めて数か国しかありません。

日本にサイン文化を根付かせれば印鑑は不要になり、そうなれば消費者は印鑑を購入する必要がなくなります。

一方で、印鑑は日本の大切な伝統的文化と捉えられており、今後も残り続けると予測されています。
印鑑づくりには特殊な技能が求められ、誰でも作られるわけではありません。
印鑑彫刻の職人は数少ないため、そこに希少価値が生まれるのです。

こうした職人技を求められるもの、手間暇をかけて作られるものなどは、必然的に価格が上がってしまいます。
日本製が高い理由には、日本文化を守るという側面もあるのです。

安心感を求めるなら日本製

外国人が日本を訪れる時は、現地で大金を使うというケースが多々あります。
電気製品を購入する人が多いですが、食品を買い込むという人もいます。

これは、日本の製品は安全で品質が高いという認識があるためです。
こうした付加価値が相まって、日本製の商品の価格を押し上げています。

なぜ日本製は安心できるかといえば、大前提として日本人が安全に対してシビアだからです。
そして、日本人自身がそうした商品を購入し、実際に使っています。
ネットの商品レビューにおいても、日本人のコメントはひときわシビアなのが現実です。

いわば完璧を求める国民性であるため、商品も完璧主義になってしまうのです。

日本製品が高価な理由とそのメリット

日本製は、自国民が主な消費者であり、高い品質と機能性を求めています。
それゆえ、自然と製造コストは上がり、商品価格は高くなってしまうのです。

つまり、高いだけでなく、相応のメリットも備えています。
高品質かつ故障しにくい、安全性が高いなどです。

ほかにも、日本の伝統的文化を受け継ぐために、あえて高額な商品を作り続けているという側面もあります。

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