近年エシカルファッションが注目されています。
人や動物、地球に優しい社会を実現するためには、ファッション業界はもちろん消費者にもやるべきことがあるのです。
ここでは、エシカルファッションを提案したい理由、服選びのポイント、ファストファッションのデメリットなどについて説明していきます。
エシカルは倫理を指しており、エシカルファッションは倫理的な衣服という意味合いがあります。
具体的には、地球環境への負荷が少なく、地域や人にも優しいファッションです。
近年は毛皮反対を謳う人たちが増えてきており、これは動物を保護するためです。
確かに、毛皮は効率的に体を温めてくれますが、その恩恵を受けるために多くの動物が犠牲になっています。
人を最優先して動物を疎かにするようでは、エシカルな社会とは言えないでしょう。
また、農薬や化学物質を大量に使用する製造過程も好ましくありません。
技術革新は私たちに大きな恩恵をもたらしてくれましたが、同時に地球環境を急速に破壊しました。
たとえば、地球温暖化の影響によって異常気象がたびたび起こるようになり、生物分布にも変化が生じています。
衣服の製造においては水を大量に消費しますし、二酸化炭素も排出するのです。
資本主義社会を支えるためには、大量消費が必須と言われてきましたが、消費が増えれば増えるほど廃棄も拡大する現実があります。
さらに、生産を迅速化させるためには、より多くの労働力が必要になります。
劣悪な悪条件下で働いている人がいるから、安価な服を簡単に手に入れられるのです。
エシカルファッションを取り入れることは、人を救うことにもつながります。
長く着続けられるファッションを
毎月のように服を買うという人は少なくないでしょう。
大量購入・消費ができるのは豊かな国の特権と言えますが、豊かさの裏には犠牲があります。
安く働いてくれる人がいるからこそ、私たちは安く服を買えるわけです。
誰かの犠牲のもとに成り立つ社会は、健全な社会とは言えないでしょう。
だからこそ、安易に服を購入せず、長く着られることを前提に服選びをすることが大切になるのです。
ほしいから買う、気に入ったから押さえておくといった人は多いですが、これからは必要性があるかどうか見極めてから買うようにしたいです。
地球の資源には限りがあり、大量消費を続けると資源はいずれ枯れてしまいます。
現実的な問題として、世界がみな先進国レベルの生活を送ることはできません。
そのためには、地球が3～4個は必要だと言われているからです。
ファストファッションがいいとは限らない
ファストファッションは、今現在における流行を取り入れて、さらに価格を安く抑えたファッションです。
気軽に購入できる反面、耐久性が乏しく長持ちしません。
すると、短期サイクルで買い替え・廃棄をする必要があるので、それに比例して環境に負担をかけます。
地球温暖化が進行すれば、異常気象や海面の上昇などの問題が生まれてきます。
さらに、衣服を製造するための人材が大勢必要になりますが、ここで雇われるのは立場の弱い人たちです。
先進国の人たちの贅沢な暮らしは、開発途上国の労働者なくしては成立しません。
エシカルファッションは確かに高額ですが、一枚の服を長く使い続けることができます。
耐用年数で考えてみると、むしろ安上がりになることが多いです。
たとえば、3倍値段が高くても、5倍長持ちすれば費用対効果はプラスになるでしょう。
気軽に購入できる商品のデメリットは、気軽に収集できることです。
ほとんど着ない服を衝動的に購入してしまうという人は少なくないでしょう。
そうした衝動買いは自身の経済的損失につながり、自分自身が損をすることになりますし、地球保全や働く人を守るという側面から見ても良くないのです。
良いものを長く着続けたい理由
服選びをする時は、長く着られるかどうかに重きを置いてみましょう。
エシカルファッションは全般的にシンプル、王道といったデザインが多くなっています。
言うなれば、クセがないので年齢を問わずに着られるのです。
流行を追い求めたファッションの場合は、年齢区分が明確化されていることが多く、こうした商品は頻繁に買い替えが必要となります。
企業側は短期サイクルで購入してほしいと考えていますが、こうした考えはエシカル的な観点から見れば時代に逆行しています。
本当にお気に入りの服を見つけて長く着続ける行為は、結果的に服をむやみに購入するというムダ遣いを防ぐことになるでしょう。
所有する服を最小限に抑えれば、廃棄する量や頻度も減るはずです。
良質で価値ある服であれば、自分がいらなくなってもリサイクルできる場合があります。
近年は古着店が見直されていますが、これはエシカルな視点から大きなメリットがあるからです。
エシカルファッションで未来の地球と暮らしを守る
倫理的な社会を実現するために、エシカルファッションを活用しましょう。
地球を守ることは、私たちの生活を守ることでもあります。
そのためには、服を買いすぎないことが大切であり、飽きずに長く着られる高品質の服を選ぶことがポイントになります。
衣服の購入サイクルが長くなれば、お財布に優しいのはもちろん、地球環境を保全し、また衣服を製造する人たちの負担を軽減することにもつながるのです。
