バーベキューや消臭、果ては美容からダイエットまで、生活の幅広いところに活かせる炭ですが、炭にはなぜそんな効果があるのか、理解している人は少ないのではないでしょうか。
自然を大切に、丁寧な暮らしをしたいという方にとって、炭はお勧めの素材です。暮らしに活用できるだけでなく、インテリアとしても利用できます。本記事では、そんな炭の成分や基本を解説し、炭に対する理解を深めることで、ぜひ炭を生活の一部として活用していただけたらと思います。
炭はどうやってできる!?
炭は木を燃やして作るもの。ここまでは誰もが想像できることだと思いますが、ではどういう状態になれば炭になるのかという原理を知っている人は少ないのではないでしょうか。
木が炭になるということは、木が炭化するということです。木は炭素が含まれる炭素化合物です。通常、木をそのまま燃やすと、炭素や水素などが周りの酸素と結合します。この時、水素と酸素が結合する際に、水蒸気になるわけですが、これが煙の正体なんですね。
ところが、これを窯など空気が少ない状態で燃やすことで、揮発性が低い炭素だけが残り、小さな炭素の結晶が不規則に並ぶようになります。これを炭化といいます。炭化した炭は、水素などがほとんど含まれないため、燃やしても煙がでないというわけですね。
炭が脱臭やダイエットに効く理由
さて、ではなぜこの炭が美容や消臭、ダイエットなど様々な暮らしに活用できるのか。それは炭の構造の秘密にあります。炭には肉眼では確認できない、非常に細かい孔と呼ばれる穴が無数にあいております。その大きさはなんと、1ミリの千分の1の単位であるマイクロメートルほど。
ではなぜこのような穴ができるのか。炭の元となる木には、隅々まで水をいきわたらせるために、無数の管が通っています。この管が水分を蒸発させることで空洞となり、穴となるというわけなんですね。
この小さな無数の孔のおかげで、炭の表面積は1グラムでなんとたたみ200畳に匹敵する広さになります。炭はこの孔に様々な不純物を捉えることで、驚くべき効果を発揮しているというわけですね。
[sc_blogcard url=”/sumi_merit/”]
炭の種類って!?黒炭から備長炭まで
また、炭には様々な種類があり、作る際の温度や製法で様々な特徴が生まれます。
黒炭
黒炭はブナやクヌギなどの原木を500度~700度で焼いた炭になります。皆さんが想像する一般的な炭というと、こちらの黒炭をさします。黒炭は、窯のなかの空気をとめて消化する「窯内消化法」で作られます。
黒炭の特徴
- 火が付きやすい
- 火が消えにくい
- 軽いくて柔らかい
- 断面が放射線状に割れている
黒炭は、火が付きやすく、消えずらいという特徴があり、バーベキューなどによく利用されます。また、脱臭、除湿にも効果的です。また、木でなく竹を炭にした竹炭も、黒炭になります。竹炭は、燃焼時間が短いため、バーベキューには向きませんが、脱臭、除湿に向いています。
[sc_blogcard url=”/bamboo/”]
白炭
白炭は、樫など、固い木を1000度以上の高温で熱することで作られる炭です。。徐々に空気を送る、また焼く温度が高温となり、黒炭より作るのに手間がかかるため、価格も高くなります。また、白炭は、焼き上げ後、灰と土、空気を混ぜた消粉をかぶせ消火する窯外消火法で作られます。
白炭の特徴
- 長時間燃える
- 煙、灰が少ない
- 重量があり、固い
- 価格が高い
白炭は、火が長持ちし、また火力が一定となります。そのため料理に最適です。しかし、手間がかかっているため価格も高くなりやすい、また火が付きづらいという特徴もあるため、さっと始められるバーベキューより、料亭などで使われることが多いですね。
備長炭
備長炭は、白炭のなかでも、ウバメカシ、アオガシ、ナラなどを使って作られる炭を言います。有名なのは備長炭発祥の地である和歌山で作られる「紀州備長炭」や、「土佐備長炭」ですね。
備長炭の特徴
- 長時間燃える
- 火力が安定している
- 価格が高い
- 金属のように固い
備長炭も白炭の一種なので基本的な特徴は一緒ですが、炭の中では一種のブランドになっているので価格が高いです。備長炭は焼き鳥など、安定した火力が長時間必要な料理によく使われますね。もちろん、一般の脱臭、浄水などにも使うことができます。
オガ炭
オガ炭は、鋸屑・樹皮を原料とした、オガライトを炭化したものです。炭の中心に穴が開いており、ちくわのような形をしています。製法は、窯外消火法で、窯内消火法、両方が使われています。
オガ炭の特徴
- 火が付きづらい
- 長時間燃焼する
- 匂いや煙が少ない
- 黒炭より高く、白炭より安い
オガ炭は、火が付きづらいという特徴がありますが、一度火がつくと長時間燃焼するという特徴があります。また、備長炭より安価のため、バーベキューなどでも気軽に使いやすいという特徴があります。
マングローブ炭
マングローブ炭は、マングローブやユーカリなどを、輸入木材により作られる炭です。特徴は安価であり、また火が出やすいという点です。反面、燃焼時間は短くなっています。
マングローブ炭の特徴
- 火が付きやすい
- 安価
- 煙が出る
- 燃焼時間が短い
マングローブ炭は、どちらかというと炭より薪に近い性質があります。そのため、炭に着火する際に使うなどするといいでしょう。また、燃焼時間が短いため、バーベキューなどで使う際は量を多めにもっておくと良いです。また、最近ではココナッツの殻を炭にしたココナッツ炭なんて炭も出ています。
[sc_blogcard url=”/coconut-charcoal/”]
名称 | 原材料 | 燃焼時間 | 火の付きやすさ | 価格 | |
黒炭 | ブナ、クヌギ | 長い | つきやすい | 安い | |
白炭 | 樫など | 長い | つきづらい | 高い | |
備長炭 | ウバメカシ、アオガシ、ナラ | 長い | つきづらい | 高い | |
オガ炭 | オガライト | 長い | つきづらい | 安い | |
マングローブ炭 | マングローブ、ユーカリ | 短い | つきやすい | 安い | |
炭を使って丁寧な暮らしを
今日は、生活を豊かにしてくれる炭の基本を解説しました。炭に対して正しい知識を持つことで、活用もしやすくなると思います。皆さんもぜひ実践してみてくださいね!